うたは旅をする。
NHK BS2で立て続けに音楽ドキュメント(?)を見ました。
1月30日の『君はオーティスを聴いたか~忌野清志郎が問う魂の歌~』と、2月2日『世紀を刻んだ歌 明日に架ける橋~賛美歌になった愛の歌~』です。
後者は特に、昨年ハイビジョンで放送された時から、早く地上波かBSアナログでやってくれないかと心待ちにしていた番組。S&Gの「明日に架ける橋」は私がこの世で2番目に好きな曲であり、アルバムですので。
…で、今日のタイトルはその番組の印象的なナレーションの一節なんですけれど。
恥ずかしながら私、オーティス・レディングがあんな夭逝してたとは知りませんでしたし、「明日に架ける橋」のアレサ・フランクリンversionも認識ゼロでした。
なんというか…歌というのは、多くのものを内包するのだな、と。
名曲であればあるほどたくさんの人の心に残るわけで、そしてまた、だからこそいろんな想いを託される。
南部出身のオーティス・レディングは人種差別の真っ只中で、肌の色を越えたメンバーとツアーを周り、ベトナム戦争下で人々を支えた「明日に架ける橋」は、同時多発テロでまた人を癒し、海を渡った南アフリカでアパルトヘイトに苦しむ人々を勇気付けた。
ただ単に「いい曲」とか「好きな歌」でいいんだけど、背景や歴史を垣間見れば、それがまたなにかを考えなにかを得るきっかけになったりもする。
なんかこういう音楽の聴き方って、学生時代以来のような気がする。
NHKは12月の「ロック誕生50年」とか、正月の「ブロードウェイの100年」という英米との共同制作番組とか、なかなか興味深いのが続きますね。
『世紀を刻んだ歌』のシリーズは「OVER THE RAINBOW」も面白い作りだったし。
ドキュメントやらせたら、やっぱNHKは強いよなぁ。
ということで、オーティスについてちょろっと検索かけて行き当たったサイトで、ずっと疑問だった『竹田の子守唄』についても知ることが出来たりしたのでした。
一昨年(仙台では1クール遅れで昨年初め)放送された、小田和正の『風のように歌が流れていた』で山本潤子さんが歌ったのを聞いたんですけれど、その時のコメントが引っかかっていたんですよね。
フォークルの『イムジン河』もそうだけれど(これはつい先日、テレ朝の報道ステーションで特集されてましたね)、歌が歌としてだけでない意味を持ってしまう難しさも、あるのだなと…。
ここ最近にしては珍しく、いろいろとふか~く考えさせられたりしたこの数日なのでした。
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